家主居住の戸建て住宅、許可なしでも「民泊」可能に 厚労省

2016-2-5 日経新聞より
厚生労働省は5日、有料で訪日外国人らを泊める「民泊」について、家主が居住する戸建て住宅は自治体の許可がなくても解禁する方針を規制改革会議の作業部会で説明した。宿泊者名簿の管理を求めるなど一定の規制をかける代わりに貸しやすくする。

 厚労省は民泊を2段階で解禁する方針を示している。まず今春から、民泊をカプセルホテルなどと同じ「簡易宿所」と位置付け、自治体の営業許可を得た民泊を合法とする。第2段階として、家主が住む自宅の一部を貸し出す「ホームステイ型」の民泊は旅館業法の適用から外し、営業許可がなくても手掛けられるようにする。

 規制改革会議のメンバーからは「家主のいない戸建て住宅やマンションについても旅館業法の適用から外すべきだ」との意見があがり、厚労省の担当者は検討する方針を示した。

民泊専門の不動産会社も誕生(Business Journal 2月5日)

【民泊専門の不動産会社も誕生】

 民泊の利用者は、外国人旅行者が圧倒的に多い。宿泊客の募集やトラブルへの対応で外国語が必要になるケースも多い。清掃や室内のメンテナンス要員もいる。個人で民泊を運営するのは意外と大変で、民泊専門の不動産会社が相次いで誕生している。古い物件やオフィスを民泊の施設に変身させる仕事も民泊専門の不動産会社がやってくれるという。

 政府は民泊を2段階方式で全国に解禁する方針だ。

 まず今春にも住宅をカプセルホテルなどと同じ「簡易宿所」とし、自治体が営業を許可する仕組みをつくる。厚生労働省が3月末までに政省令を改正する「簡易宿所」のひとつとして営業許可を得た民泊を合法と認める。2月から大田区で始まる予定の国家戦略特区に続き、今春から全国で民泊ができる態勢にする。

 旅館業法では延べ床面積33平方メートル未満の営業を禁止しているが、民泊では特例として認めてワンルームマンションなどで営業できるようにする。

 第2段階では、住宅地でのサービスを禁止するなど制約の多い旅館業法から民泊を除外するために法整備を行うという。個人が民泊を手掛けやすくするよう新法の制定を含めて対応。16年度(17年3月末まで)に法体系を変える。

 規制を緩和すれば20年の東京五輪に向けて「経済効果は10兆円」などという試算もある

 Airbnb(エアビーアンドビー)など、民泊のインターネット仲介業者をどうするのかといった問題は残る。インターネット仲介業者を登録制にするだけで大丈夫なのか。住宅地での民泊が大手を振ってできるようになれば近隣トラブルが急増するだろう。

 現在の民泊の主体は違法状態の個人の貸し手である。個人の貸し手が「簡易宿所」の許可を得ることは少ないとの指摘もある。

 政府が民泊にお墨付きを与えることによって、これまで隠れていた違法業者が大手を振って営業をすることになると、事故が起こる危険も増大する。

大田区民泊条例について(小栗泉解説委員が読み解く)2月2日

キーワードでニュースを読み解く「every.キーワード」。2日のキーワードは「民泊“解禁”」。日本テレビ・小栗泉解説委員が読み解く。2月2日

【全国初の民泊条例】
 これまで観光客などを有料で民間の住宅に泊める「民泊」について、条件付きで認める条例が1月29日、東京・大田区で施行された。これは全国初めてのことで、早速、部屋を提供する事業者の受け付けが始まった。

 事業者への説明会から受け付けまで2日しかなかったこともあって、当日に申請があったのは2つの物件だけだったが、申請するための相談は増えてきているという。

【旅館業法に抵触?】
 民泊は本来、旅館業にあたるとされていて、現在はインターネットを通じて全国に広まっているが、民泊の多くは許可が必要な旅館業法に抵触すると言われている。大田区では今回、条例を作り、一定の条件を設けることで違法な民泊をなくせると期待している。

【大田区の民泊 認める条件は】
 主なものとして、まずホテルや旅館と競合しないように民泊は、6泊7日以上の滞在に限る。また、事業者は近隣の住民に対して民泊事業を行うことを文書で周知する。

 そして、住民とのトラブルを想定して苦情などの窓口を設置することも義務付けられていて、大田区は必要に応じて施設に立ち入り調査をすることにしている。

 「6泊7日以上」という条件を設けている理由は、宿泊者が入れ替わり立ち替わり出入りすることを防ぐことで、「近隣住民も受け入れやすいのでは」と考慮したものだという。

【民泊禁止マンションも】
 こうした大田区の取り組みが進む中、都内のマンションでは民泊を禁止するところもある。

 「近隣の方に迷惑がかかる、大きい声をあげる、マナーが悪い、管理組合に苦情がくる。理事会で討議をした結果、(民泊を)禁止した方がいいという結論に」(東京・港区 赤坂レジデンシャルホテル管理組合法人・草場惇彦理事長)

 このマンションでは、マナーの悪い民泊で苦情が相次いだため、これまで民泊について制限のなかったマンションの管理規約を変更して民泊を禁止したという。

 また、一部の大手不動産会社でも、あらかじめ管理規約で民泊禁止を定めた新築マンションを販売するなど、民泊禁止の動きも出てきている。

【民泊の課題・問題点】
 まず、基本的な課題として、見知らぬ外国人が出入りするようになるため、近隣住民が不安を抱くことになる。ゴミ出しの問題や騒音などによる、近隣住民とのトラブルなどの問題点もある。

 今回、大田区で申請を行った民泊を仲介する「とまれる株式会社」の三口聡之介社長は、近隣の住民に対して「深夜の出入りなど、防犯上の不安を感じる方がいるため、チェックインの時間を制限するなど、要望にできる限り応えていきたい」と話している。

【今後の民泊 専門家の見方は…】
 今後の民泊について、マンション市場に詳しい榊マンション市場研究所の榊淳司さんは「まず、外国人観光客に対してどうやってマナーを守ってもらうのかということや、いち早く実態にあった国のルール作りが必要だ」と話している。

【every.ポイント「過ごしやすいルールを」】
 国は民泊の条件について、3月末までに取りまとめを行いたいという。宿泊施設の不足が言われる中、外国人観光客にとっても、私たちにとっても、過ごしやすいルール作りが求められる。