大田区「民泊」スタート 業者に初の認定書交付

民泊 申請 行政書士 鹿内節子です。 

<東京新聞から転載>

外国人観光客の急増による宿泊施設不足を解消するため、「民泊条例」を先月施行した東京都大田区は十二日、参入を申請していたインターネット宿泊仲介サービス運営「とまれる」(千代田区)に認定書を交付した。全国で初めて、条例でルールを定めた民泊がスタートする。

 認定を受け、同社は週明けにも、JR蒲田駅近くの平屋住宅(約五十一平方メートル)とマンション一室(約二十六平方メートル)の計二物件について、インターネットで予約を受け付けるという。

 民泊条例は、政府の国家戦略特区による旅館業法の規制緩和を活用し、先月二十九日に施行された。同社は同日に申請し、区が事業計画や間取り図などの書類審査、施設の現地検査を実施した。

 区の認定を受けた事業者は、住宅やマンションなどの民間住宅に外国人観光客らを有料で泊めることができるが、申請手続きの煩雑さなどを背景に、これまでに申し込んだのは「とまれる」一社にとどまっている。

 
 民泊をめぐっては国も旅館業法の「簡易宿所」に位置付けた上で、基準を緩和する方向で検討している。
「とまれる」が民泊の認定を申請した平屋住宅=東京都大田区で
 民泊はすでに仲介サイトなどで全国に広まっているが、無許可営業や近隣トラブルが指摘されている。区は条例やガイドラインで、滞在期間を七日以上と定めたほか、事業者が申請前に近隣住民に事業計画を書面で周知することなどを義務付けた。
 

◆「多くの事業者 誕生に期待」大田区長
 松原忠義区長は十二日、「とまれる」の三口(みくち)聡之介社長(40)に認定書を手渡し、「安全安心かつ衛生的な施設を提供する区の民泊がスタートする。モデルケースとして全国にいい影響を与えられたら」と話した。申請が同社の二件にとどまっていることについて、「二百件を超える相談がある。事業者が続々と誕生することを期待している」と話した。三口社長は「認定は民泊を合法的にやるために準備してきた結晶。安心安全な民泊を大田区を第一歩として進めていく」と話した。

大田区民泊条例について(小栗泉解説委員が読み解く)2月2日

キーワードでニュースを読み解く「every.キーワード」。2日のキーワードは「民泊“解禁”」。日本テレビ・小栗泉解説委員が読み解く。2月2日

【全国初の民泊条例】
 これまで観光客などを有料で民間の住宅に泊める「民泊」について、条件付きで認める条例が1月29日、東京・大田区で施行された。これは全国初めてのことで、早速、部屋を提供する事業者の受け付けが始まった。

 事業者への説明会から受け付けまで2日しかなかったこともあって、当日に申請があったのは2つの物件だけだったが、申請するための相談は増えてきているという。

【旅館業法に抵触?】
 民泊は本来、旅館業にあたるとされていて、現在はインターネットを通じて全国に広まっているが、民泊の多くは許可が必要な旅館業法に抵触すると言われている。大田区では今回、条例を作り、一定の条件を設けることで違法な民泊をなくせると期待している。

【大田区の民泊 認める条件は】
 主なものとして、まずホテルや旅館と競合しないように民泊は、6泊7日以上の滞在に限る。また、事業者は近隣の住民に対して民泊事業を行うことを文書で周知する。

 そして、住民とのトラブルを想定して苦情などの窓口を設置することも義務付けられていて、大田区は必要に応じて施設に立ち入り調査をすることにしている。

 「6泊7日以上」という条件を設けている理由は、宿泊者が入れ替わり立ち替わり出入りすることを防ぐことで、「近隣住民も受け入れやすいのでは」と考慮したものだという。

【民泊禁止マンションも】
 こうした大田区の取り組みが進む中、都内のマンションでは民泊を禁止するところもある。

 「近隣の方に迷惑がかかる、大きい声をあげる、マナーが悪い、管理組合に苦情がくる。理事会で討議をした結果、(民泊を)禁止した方がいいという結論に」(東京・港区 赤坂レジデンシャルホテル管理組合法人・草場惇彦理事長)

 このマンションでは、マナーの悪い民泊で苦情が相次いだため、これまで民泊について制限のなかったマンションの管理規約を変更して民泊を禁止したという。

 また、一部の大手不動産会社でも、あらかじめ管理規約で民泊禁止を定めた新築マンションを販売するなど、民泊禁止の動きも出てきている。

【民泊の課題・問題点】
 まず、基本的な課題として、見知らぬ外国人が出入りするようになるため、近隣住民が不安を抱くことになる。ゴミ出しの問題や騒音などによる、近隣住民とのトラブルなどの問題点もある。

 今回、大田区で申請を行った民泊を仲介する「とまれる株式会社」の三口聡之介社長は、近隣の住民に対して「深夜の出入りなど、防犯上の不安を感じる方がいるため、チェックインの時間を制限するなど、要望にできる限り応えていきたい」と話している。

【今後の民泊 専門家の見方は…】
 今後の民泊について、マンション市場に詳しい榊マンション市場研究所の榊淳司さんは「まず、外国人観光客に対してどうやってマナーを守ってもらうのかということや、いち早く実態にあった国のルール作りが必要だ」と話している。

【every.ポイント「過ごしやすいルールを」】
 国は民泊の条件について、3月末までに取りまとめを行いたいという。宿泊施設の不足が言われる中、外国人観光客にとっても、私たちにとっても、過ごしやすいルール作りが求められる。