民泊の負の部分 フランスの悲痛な声

FP行政書士の鹿内節子です。
【民泊の負の部分 フランスの悲痛な声】
◆世界一の観光立国からの「警鐘」

 去る3月17日、全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会(以下、全旅連)の招聘により、フランスのホテル&レストラン関連業界団体を招き「基調講演 テーマ:民泊の不都合な真実 ~世界最大の観光大国フランスで起こっていること」と題した緊急フォーラムが都内で開催された。フランスからは、ホテルGNI会長のディディエ・シュネ氏、UMIHホテル部門会長のローレン・デュック氏らが参加した。

「もうフランスはAirbnbにやられてしまった。日本はまだ間に合う、フランスと同じ轍を踏まないでほしい」

 世界一の観光立国であるフランスから、なぜこのような悲痛な声が上ったのか。

 フランス業界団体代表らは、まずは慎重に言葉を選びながらもこのように話した。

 「フランスで民泊と言えば、Airbnbのことだと考えて差し支えがない状況ですが、現在フランスでは1日に1軒のホテルが廃業か倒産に追い込まれているのです」(シュネ氏)

◆パリを襲ったホテル廃業と住宅難の渦

 問題はホテル業者だけではない。

「アパートなどの所有者がより利益の上がる民泊営業に物件を回したため、パリ市内の家賃相場は数年で急上昇していきました。民泊物件へ回すために賃貸契約の約25%が契約更新されず、住人は住居を失い高額な物件を探してやむなく賃貸し直すか、郊外へと引っ越しを余儀なくされた。特に観光客が多い地域では、住民が減り学級閉鎖に陥る学校も出ています」(シュネ氏)

 住民は、Airbnbにより生活の為の家を失い、より高い物件を借りたり、賃貸更新時に値上げに応じなければならなくなってしまった。その高額な家賃を払うために自分達が使用する部屋数を節約して減らし、空けた数部屋を利用しAirbnbで稼がなければならないという悪循環なケースもあるという。

 しかし、彼らもシェアリングエコノミー自体を否定しているわけではない。この緊急フォーラムの中でフランス代表らは、民泊が緊急に改善すべき点について次のことを強調した。

◆フランス代表が提案した民泊の改善すべき点

 1つ目に「Airbnbは、新たな体験や地元との交流などシェアビジネスの有用を語るが、そこで何が起きているかを具体的に見ればそのイメージ戦略とは全く違う」点。2つ目は「Airbnbの匿名性を徹底的に潰しておくこと。この匿名性があったためにフランスはあれよという間に現状の様な状態になってしまった」点だ。

 例えば、年間の民泊営業数は120日までと決められているが、全く遵守されていないのが現状だと言う。なぜ全く遵守されていないのか?

 それは、厳密に捜査ができないためだ。厳密に捜査するためには捜査要員が少なすぎることもあるが、原因の根源は圧倒的な民泊の数と匿名性にある。日本は昨年2015年ベースで訪日外国人数は2000万人弱。世界一の観光立国であるフランスでは既に約8000万人強の集客がある。仮にパリのみを見ても、ホテルのキャパシティは約11万床になるが、民泊はAirbnbだけでも6万軒あり20万床に達する。2008年と比べると2015年の方がパリへの外国人訪問者数は30%以上も増えているのに、合法なホテル等への宿泊は減少しているのだ。

◆脱税を生み、雇用を奪う民泊の負の部分

「宿泊先は客が選ぶものではあるが、そこにほとんど経費やイニシャルコストもかからず、多くの脱税を生み、業界の雇用を奪い、必要な人が普通にパリに住む環境を不当な競争によって破壊しているのは明白だ」(デュック氏)

 規制なし・監査なしの安全面放置(警察用登録シート無、警備体制の盲点)、24時間管理体制の不在、消費者保護の為ホテルに課される義務が民泊には不在。ホテル事業者の粗利が売上の5~10%程度なのに対し、民泊の場合は60~70%となると、仏ホテル職業産業連合(UMIH)は試算する。

「確定申告し納税しているのは、フランスの民泊ホストの15%」だとUMIHホテル部門会長のローレン・デュック氏は言う。部屋の貸し手が匿名性を持って物件を登録できるAirbnbのシステムそのものが、脱税するなど様々な犯罪の温床になっていると力説した。

◆テロリストの潜伏先にもなった民泊

 また、21015年11月13日(日本時間14日)に発生したパリ同時多発テロでは、その主犯格が潜伏先として民泊を利用していたと明言。これについては質疑応答でも日本側の記者から質問が飛んだ。

「パリの同時多発テロで民泊が潜伏先として使用された事実は、日本ではあまり報道されていません。詳しく教えて頂けますか?」という質問に対し、シュネ会長以下3名のフランス人登壇者は、互いに目くばせをしつつ、慎重に回答した。

「あのテロ事件でパリはもちろん、フランス全土が体験したことがない程の大きな悲しみに包まれ揺れました。あれだけの落胆と憔悴をフランス国民が味わった中、我々は鬼の首でも取ったかのように、そらみたことか、テロに民泊が使用された!とその部分をことさらに強調して抜き出し声高に訴えることはしませんでした。フランスの多くのマスコミもそうでした。それから我々も、政府の民泊推進・容認、制限付き容認、民泊反対派などと、多くの交渉チャンネルとしてのパイプは持っていなければならない。それらを失わずに今後も言うべきは言い、活動と交渉をしていかなければならないということでご了承いただきたい」

 Airbnbの先行により民泊が既に不本意な形で野放しとなってしまったフランスでは、民泊が死亡事故・性的暴行・盗難・火災・売春の温床になっている事実、薬物使用・騒音など、民泊のマイナス面として知られるようになった。加えてテロリストの潜伏先にも利用されたのだ。

◆「日本はまだ間に合う」

 そして緊急来日したフランス人達は念を押すように、フォーラムの最後に再度、このように強調した。

「Airbnbのイメージ戦略とその実情は全く違う。匿名性を徹底的に潰して下さい。すでにフランス全土に拡がり、取り返しがつかないほどAirbnbにやられてしまったフランスとパリの現状をよく見て下さい。日本はまだ今なら間に合う、フランスと同じ轍は踏まないで下さい。良識ある日本の皆様のご検討をお祈りしております」

 どんなに素晴らしいルールが施行されても、それを監督する取り締まりとの両輪が揃わなければ、フランスの轍を踏むことにもなりかねない。既に中国系民泊サイト大手2社の日本における保有ベッド数は、Airbnbの日本でのベッド供給数に迫る勢いだ。現在、全国的な民泊解禁に向けてのルール作りが急ピッチで進められおり6月にはその要綱が明らかになるが、現状で聞き漏れてくる情報を繋ぎ合わせると、民泊は旅館業法上の簡易宿泊所に統合され、自宅を使う民泊とビジネスとして展開する民泊とは分けて考えられている。これは日本の現状に合ったスマートな選択肢かもしれない。その際、Airbnbを始めとする民泊マッチングサイトと新規派生ビジネス、委託関連ビジネスに対しても、何が合法で何が違法かを徹底周知させなければならないだろう。

 そして民泊の影響は、宿泊施設が足りないと言われる東京や大阪、そして京都でも既に色濃く出ている。筆者が独自に行った宿泊施設への聞き取り調査でも、東京や京都などは繁忙期のピーク時こそ宿が取りにくいものの、年間で見れば5%~10%弱の客室稼働が落ちている。いまだ宿泊施設不足が懸念される大阪でも昨年ほどの状況ではなくなっている。全国的な民泊解禁は、大都市と地方都市や誰もが知るような有名観光地ではなく、地元の景観や旅情を保ちながら細々と展開しているような観光地の、地域経済ごと破壊する可能性も秘めている。そうした零細観光地への配慮が、ルール作りに反映されることを期待したい。
HARBOR BUSINESS Online 5月23日(月)16時21分配信

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国の民泊推進の思いとは裏腹に、自治体ベースでは規制緩和の動きは鈍い

FP行政書士の鹿内節子です。
国の民泊推進の思いとは裏腹に、自治体ベースでは規制緩和の動きは鈍い。

都内9区は近隣トラブルの懸念などから当面は条例改正しない(毎日新聞)2016年5月24日

毎日新聞の記事には、「フロント設置を義務化している自治体と今後の対応」として、47都道府県、20政令市、東京23区の調査結果が次の区分で示されていた。

〇:条例改正などで要件緩和予定
△:検討中
×:改正予定なし
23区の調査結果を地図に落としてみた(次図 マンション選び研究所から)。

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【民泊営業「年180日以下」 全面解禁へ規制改革会議答申】

FP行政書士の鹿内節子です。
政府の規制改革会議(議長・岡素之住友商事相談役)は19日、80項目の規制緩和策を盛り込んだ答申をまとめ、安倍晋三首相に提出した。一般住宅に旅行者らを有料で泊める民泊を全面解禁する方針を示す一方、営業日数上限を「180日以下」とする条件を打ち出した。政府内で具体的な上限値を詰めて2016年度中の法整備をめざす。

(2016/5/19 21:18日本経済新聞 電子版)

【外国人定住へ環境整備】

民泊 届出 登録 行政書士 鹿内節子です。
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2018年度にも、外国人の労働者ビザの申請手続きをネットで済ませられるようにする。外国企業が日本に進出しやすい環境づくりを進める。(2016-5-18 日経新聞)

【民泊普及へ新法制定を求める方針 規制改革会議】

民泊 登録 届出 行政書士 鹿内節子です。
有識者で作る政府の規制改革会議は、いわゆる民泊を普及させるため、現在の法制度の下では営業が認められていない<住居専用地域>でも民泊を行えるようにすることなどを盛り込んだ、新法の制定を求める方針を固めました。
 
いわゆる民泊を巡って、政府は、先月から、カプセルホテルなどと同様に旅館業法で「簡易宿所」と位置づけ、貸主が都道府県から許可を得れば営業を政令で認めています。
こうしたなか、有識者で作る政府の規制改革会議は、民泊を普及させるには現在の法制度では不十分だとして、新法の制定を目指し、今年度中に国会に法案を提出するよう求める方針を固めました。
 
規制改革会議は、新法によって、家主が同居している場合か、同居していなくても<施設の管理者を設置>すれば、届け出によって営業を認めるとともに、現在は営業が認められていない<住居専用地域>でも民泊を行えるようにすべきだとしています。
 
また、利用者の安全確保や近隣住民などとのトラブル回避に向けて、施設の管理者や仲介業者に対し「登録制」を導入し、法令に違反した場合は、業務停止や登録の取り消しをできるようにするよう求めています。
 
 
規制改革会議は19日に、こうした内容とともに、およそ80の規制緩和策や制度の見直しなどを盛り込んだ答申を決定することにしています。
(NHK NEWS WEB 5月17日)

【民泊事業が「届出」で可能に、仲介事業者は「登録」で責務も具体化、外国法人にも適用へ】

民泊 登録 届出 行政書士 鹿内節子です。

 
 新たなルール作りが進められている民泊で、民泊の事業者・仲介業者ともに「登録」「届出」で営業が可能になる。「民泊サービスのあり方に関する検討会」会合で、観光庁と厚労省が提示した民泊の新制度骨子案の一部が了承されたもの。民泊事業者の「登録」「届出」の手続きでは、インターネットを基本とするなど参入しやすいものとした。仲介事業者の「登録」では、観光庁がAirbnbなど外国法人を含む事業者にも「登録」を促していく方針を示している。

新たな制度設計では、民泊を「家主居住型(ホームステイ)」と「家主不在型」に区別。管理者・仲介事業者には一定の責務を課し、匿名性を排除することで安全性・衛生面を確保する。今後、監督行政庁をはじめとした細部が検討されるが、現在示されている具体的な規制の方向性は以下のとおり。違反の際には業務停止命令や罰則を設けることが検討されている。

<家主居住型(ホームステイ) -参入しやすい「届出」制度、住居に標識提示へ>
家主が居住しながら一部住居を貸し出すホームステイのようなタイプでは、行政庁への「届出」を制度化することで手続きを簡易なものとした。受入れにあたっては、利用者名簿の作成・備え付け(外国人の場合はパスポート写しの保管)、衛生管理、注意事項の説明を義務付ける。また、民泊に利用している住居であることを示す標識の掲示を求める。

<家主不在型(管理者規制) -トラブル発生リスクの高さから一歩踏み込んだ「登録」に>
出張や休暇で家主の不在期間に、家主不在で貸し出す場合は、管理を委託する管理者を必要とし、その管理者を「登録」する制度とする。「登録」は、行政庁が拒否することができるもの。ホームステイタイプと比較して近隣トラブルなどが発生しやすいことから、一歩踏み込んだ制度としている。
受入れにあたって求められる内容は、家主居住型と同様で民泊物件である標識の提示も含まれる。

<仲介事業者 -新たな枠組みでは旅行業登録の必要な>
民泊の物件をネットで紹介・予約・支払いを仲介する事業者に対しては「登録」を求める。観光庁によると、民泊を簡易宿所扱いとする現行制度では、仲介業者に旅行業登録が求められたが、新たな枠組みではその必要がなくなるという。
責務としては、消費者に対して取引条件を説明すること、新たな枠組みの民泊施設であることを明確に表示することを求めていく方向性。行政庁による立ち入り検査、無届出の家主居住型民泊・登録管理者不在の家主不在型民泊などサイトからの削除命令などがだせる枠組みも検討している。

このほか、検討会では既存の旅館・ホテルと異なる取扱いとする民泊の「一定の要件」についても議論。「営業日数」では、民泊をビジネスとしてとらえる観点から長期間とする意見がある一方で、全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会の北原茂樹会長が上限設定をおこなうことを主張。採算性を求めるのであれば、簡易宿所の営業許可を取得すべきであるとの立場を示した。今後の検討では、民泊と既存宿泊施設の線引きとなる「一定の要件」が大きな議論となりそうだ。
(2016年5月14日 トラベルボイス)

【京都市、民泊の実態調査で結果発表、合法の物件は1割に満たず】

民泊許可 行政書士 鹿内節子です。

2016年5月12日 トラベルボイスより

京都市産業観光局観光MICE推進室はこのほど、京都市内の民泊施設について実態調査をおこなった。

それによると、調査対象のうち旅館業法許可が確認できたのは189件(全体の7.0%)。無許可と思われる施設は1847件(68.4%)と推定。無許可物件の施設タイプ別では、戸建て住宅が548件(58.6%)、集合住宅では1255件(74.8%)。集合住宅施設のほうが無許可での運営件数が多いほか、府外(海外を含む)在住者による運営件数も多い傾向にあることが判明した(戸建て住宅では府外在住者による運営が20.1%、集合住宅では29.9%)。

宿泊可能人数は全施設の合計で約1万2000名。そのうち、2名または3名を定員とする施設が49.8%の1345件。国家戦略特区での外国人滞在施設経営事業で設定された「6泊7日以上」を最低宿泊日数に設定する施設は1.6%にとどまり、1泊から宿泊可能とする施設が53.7%の1452件と過半数以上だった。

1名1泊あたりの宿泊料金の最多価格帯は、ビジネスホテルと競合する6001円~12,000円(全体の38.9%)。6000円以下は14.0%、1,2001円~18,000円が25.0%。24001円以上の施設も11.4%の309件あったが、そのうち212件は戸建ての一棟貸しだった。

なお、周辺住民へのヒアリングで多かったのは、「民泊施設の開業に当たって事前説明がない」「管理者が常駐せず、誰がどのように運営をしているか分からない。トラブル時の連絡先も分からないことため不安」といった声。また、戸建て住宅では騒音に関する懸念が多く、集合住宅では不特定多数の利用者が出入りするため「オートロックの意味がなくなっている」といった不安が多かったという。

同時に実施した民泊仲介サイト運営者へのヒアリングで回答があった「とまりーな」は、法令順守を徹底しているとのコメントする一方で、違反事業者に対して適切な規制・摘発を望む見解を表明。Airbnbでは、問題のある施設について複数回の注意喚起をおこなっても改善が見られない場合は掲載から削除する措置を実施。また、Airbnbでは管理者不在の施設は推奨していない反面、日本では約6割程度が管理者不在(海外では3割程度)となっている実態も明らかになった。

民泊代行事業者へのヒアリングの傾向としては、利益優先の民泊代行事業者では法令順守に対する意識や地域住民とのトラブルに対する意識は低いように見受けられる一方で、明確なルールの確立や運営ノウハウの共有を求める声をはじめ、行政の動きに非常に注目している様子もみられたという。

今回の調査は、Airbnbなど民泊仲介サイトに掲載中の2702件を対象に、地域や施設タイプ、旅館業法許可の有無、宿泊可能人数、宿泊料金などを調査し、さらに周辺住民へのヒアリングもおこなったもの。 調査期間は2015年12月1日から2016年3月31日まで。

【「民泊」排出は事業ごみ ルール違反は指導も /京都】

民泊許可 行政書士 鹿内節子です。

京都市は9日、市議会くらし環境委員会の質疑で、観光客らを空き室に有料で宿泊させる「民泊」から出るごみについて、民泊事業者の責任で事業ごみとして処理すべきだとの考えを示した。また2015年度中に市民から十数件の相談が寄せられ、一般ごみの収集ルールに沿わない一部民泊の排出の実態も明らかにした。

 市循環型社会推進部の久保国男部長は、一部民泊の排出実態について「市指定ではないごみ袋での排出や、収集日外の排出がある。周辺住民から対応について相談を受けている」と説明した。そして「民泊は対価を得て宿泊サービスを提供している。(排出分は)家庭ごみには該当しない」と述べ、事業者を特定できれば、市が事業ごみとして処理するよう指導する方針も表明した。

 一方、市受け入れごみ総量のピーク時の半減実現を目指す「しまつのこころ条例」の昨年10月施行後の減量状況について、久保部長は「15年度ごみ総量は現在集計中だが、減量ペースは例年を大幅に上回っている」と成果を強調した。
(毎日新聞 2016年5月11日 地方版)

民泊 事業者登録制導入へ 違反業者は実名公表も

民泊許可 行政書士の鹿内節子です。

民泊の新しいルール整備に関して、管理業者とプラットフォーマー(インターネットを通じてサービスを仲介する事業者)それぞれの登録制度が導入される見込みだ。「民泊サービス」のあり方に関する検討会で、事務局の厚生労働省と観光庁が示した。関連事業者に責務を課すことで、安全性を確保しトラブル防止の機能をもたせる。同時に、民泊の実態を行政が把握できる仕組みをつくるのが狙い。Airbnb(エアビーアンドビー)など海外に本拠を置くプラットフォーマーを合法の枠内に位置づける目的などから、「比較的クリアしやすい要件で制度設計していく」(観光庁)考えだ。
  
 
現状ではホテル・旅館と民泊との違いが不明瞭で、競争条件に不公平が生じている。そこで「一定の要件」に該当するものを新しいルール下の民泊と規定し、ホテル・旅館とは明確に線引きする。新法制定の公算が大きいとみられるが、「民泊営業」など旅館業法の新しい類型を定める可能性もあるという。「一定の要件」の案は営業日数や宿泊日数の制限、一棟貸しの禁止、管理組合や家主の承認など。家主が居住する「ホームステイ型」だけでなく、空き家型も対象になる見込み。
  
 
その上で、事業者の登録制度を創設する方向だ。空き家型については、登録を受けた管理業者が利用者名簿の作成や利用者への注意事項の説明、苦情対応、法令・契約違反がないことの確認といった業務を手掛ける。一方のプラットフォーマーも登録制とし、利用者に対する取引条件の説明や「民泊サービス」であることのウェブサイト上での表示、行政への情報提供などを義務づける方向。また、法令違反行為を行った場合、実名と違反内容の公表も検討している。海外法人のプラットフォーマーを取り締まりきれないことが現在の課題だが、違反業者にそのレッテルを張ることで利用者に注意喚起し、規制の実効性を確保する狙い。いずれの制度も、宅建業者や旅行業者など既存の有資格者であれば比較的簡易に登録できるレベルを想定している。
  
 
なお直近では、欧米だけでなく中国系のプラットフォーマーも日本の民泊市場に参入。観光庁が交渉ルートの開拓や情報収集に当たっている。(5月4日 住宅新報WEBから)