【Airbnbは既存の宿泊施設の敵?】

【自分のやりたいことが世の中の数人にだけでも受け入れられれば、それがビジネスとして成立するおもしろさがある】

民泊許可 行政書士 鹿内節子です

【Airbnbは既存の宿泊施設の敵?】
議論の中でいつもクローズアップされるのが「既存の宿泊施設 vs 民泊」という対立の構図だが、「いろいろな国でAirbnbは増えているが、それでホテルの稼働率が下がったという話は聞いたことがない」と田邊氏は話す。ホームシェアリングは、既存の宿泊施設に敵対する存在なのだろうか。

「体験」を売りにしているAirbnbでは、たとえば、サメ35頭に囲まれて泊まる水中部屋、ゴッホの寝室、ヨーロッパのシャトーなどユニークな物件を提供している。旅館でも、特別な体験が可能な部屋を、その旅館の女将がホストとなって、リストに載せているケースもあるという。

Airbnbに集まるゲストが、そうしたユニークな体験を求めていることを前提にすれば、本当に尖った物件でないと生き残れない。体験要素の低いマンションの一室などでは、魅力的な価格であっても稼働率が上がらず、自然淘汰されていく流れも考えられる。いわゆるAirbnbファンが集まるプラットフォームとして収斂していく可能性もある。

田邊氏は、地域コミュニティーとの共存だけでなく、既存の宿泊施設との共存にも期待をかける。「既存の宿泊施設とも何か一緒にできるのではないか。たとえば、一泊は旅館、その後はAirbnbなどということも可能だろう。地域の事業会社や旅館など一緒に旅のトータルソリューションを提供できればいいと思っている」。性質の異なる宿泊体験が組み合わされれば、旅行者にとって新しい旅の価値が生まれるかもしれない。

Airbnbでは、さまざまなパートナーとの協業も検討しているという。田邊氏は「企業や地方自治体と話すと、いろいろなアイデアが出てくる。プラットフォームの使い方はいろいろとある。日本は旅のコンテンツが豊富。インバウンドだけでなく日本人ももっとディープに日本を知ることができる機会をつくっていきたい」と意気込む。

【不明瞭なマーケットプレイスとしての位置づけ】
民泊議論のなかで、なかなか議論がかみ合わないポイントがある。Airbnbのプラットフォームとしての位置づけだ。「仲介業者ではない」というのがAirbnbの一貫した主張。田邉氏は「我々は、自社のプラットフォームで物件を運用しているところとは違う。場を提供するマーケットプレイス」と改めて強調した。

つまり、「不動産業のように掲載されている物件の管理、媒介、売買、リフォームを行わず、あるいは旅行代理業のように旅の予約管理なども行わない。ホームシェアリングは、あくまでも部屋を貸し出したいホスト、借りたいゲストのコミュニティーが主導となって行われるP2P (Peer to Peer)のビジネスで、Airbnbは個人同士の需要と供給をつなぐ存在」というロジックだ。

マーケットプレイス、いわゆる市場は、ECでの楽天やアマゾンの立場。シェアリングエコノミーであるC2Cのビジネスモデルに立つと、ネットオークションの市場に近い。物件をコントロールしない個人同士をつなぐマーケットプレイスとするならば、理論上どのような物件でもリストされることが可能になる。しかし、この点では「Airbnbのプラットフォームに似たような部屋が並ぶことは好ましくない。体験を提供しているので、その場合は提供者にお話をさせていただくかもしれない」と田邉氏は語る。

検討会のなかでも、こうしたAirbnbの主張に対して構成員からは「介在している以上、仲介ではないと言えないのではないか」との意見も多い。民泊におけるマーケットプレイスの明確な位置づけと管理者としての責任については、まだ議論が煮詰まっていない。Airbnbは、ホームシェアリングのプラットフォームへの規制については、他のインターネット上のプラットフォームと同様の取扱いを求めている。

【Airbnbはシェアリングエコノミーの試金石】
同じ「宿泊」であっても、ホテルや旅館とは性質が異なり、Airbnbのサービスはどちらかというとアクティビティーに近いところもある。一連の議論のなかでは、旅館業法のもとイコールフッティングを求める声も多いが、宿泊の性質の違いやビジネスモデルの違いを考えると、それが適当かどうかの疑問も残る。

また、旅館業法がイコールフッティングのもとでそのまま適用されると、宿泊者の引受義務が生じてしまい、相互レビューでホストがゲストを拒めるというシェアリングエコノミーの根幹が瓦解する。Airbnbのビジネスだけでなく、シェアリングエコノミーの健全な広がりの面でも影響が出てくるかもしれない。

「個人的にも、C2Cという仕組みのシェアリングエコノミーが大好き」と田邊氏。自分のやりたいことが世の中の数人にだけでも受け入れられれば、それがビジネスとして成立するおもしろさがあるという。日本ではAirbnbをはじめとするシェアリングエコノミーのサービスはまだ少なく、ルールも明確になっていない。「ルールができて、いろいろな企業が参入して、健全な競争のなかで市場がつくられるのだろう」。いずにせよ、「議論はいい方向で進んでいると思う。今年は重要な年になる」という認識だ。
Travel Voice 2016年4月28日の記事から
Airbnb Japan代表取締役の田邉泰之氏の意見
old_tock

管理者は登録制に トラブル対応も義務化 厚労省案

民泊許可 行政書士 鹿内節子です

毎日新聞2016年4月23日から

一般住宅に有料で観光客らを泊める「民泊」のルールづくりを進める厚生労働省などは22日、家主が同居しないタイプの施設の管理者や、インターネットなどによる仲介業者は将来的に自治体などへの登録制とし、安全管理面の責任を担わせる案を取りまとめた。トラブルへの対応も義務化させる内容で、有識者会議での議論を経て新法の作成を進める構え。

 厚労省は、安全確保やトラブル防止に向け、今年4月から、旅館業法の「簡易宿所」に民泊を位置付けた上で、許可を得やすくするため面積などの基準を緩和した政令を施行している。最終的には、登録制を柱とした新法を適用することになる見込みだ。

 厚労省によると、登録が認められた管理者は、(1)利用者名簿の作成や備え付け(2)宿泊者に対する注意事項の説明(3)近隣住民などからの苦情の受け付け−−などの業務が義務付けられる。

 また仲介業者には、民泊サービスであることをサイト上に明示させ、行政に対する情報提供も義務化。無許可営業と知りながらサイトに掲載した場合には、業務停止命令などの処分を出すことも検討する。今年6月までに有識者会議で意見を取りまとめたい考えだ。

 一方、同省は、2015年4月から今年1月の間に、旅館業法上の営業許可を受けていないとして自治体が指導した事案は994件と発表。13、14両年度での計193件を大幅に上回り、外国人訪日客が増加する中、違法状態が横行していた実態が改めて浮き彫りになった。994件のうち4割超は、近隣住民や宿泊者からの通報があったケース。指導を受けて営業をやめた件数は36%に上った。

無許可民泊、宿泊者名簿なし…書類送検

民泊許可行政書士 鹿内節子です。
2016年04月27日 The Yomiuri Shimbun から

無許可でマンションなどに外国人観光客を泊め、民泊営業したとして、大阪市内の男女3人が旅館業法違反容疑で書類送検された事件で、3人は宿泊者名簿を作成していなかったことが大阪府警への取材でわかった。同法施行規則はテロ対策などとして外国人客の国籍や旅券番号を名簿に記すよう義務付けており、府警は「テロや外国人犯罪の温床になりかねない」と指摘している。

 府警によると、3人はいずれも同市生野区内で、韓国籍の飲食業の女(71)と、中国籍のレンタルビデオ店経営の男(37)と韓国籍の妻(55)。民泊仲介サイトなどで勧誘し、女は客約450組から約840万円、夫婦は約300組から約450万円を売り上げたとみられる。いずれも客の名簿は作成されていなかった。

 府警などによると、無許可の民泊営業が増える中、本人確認が不十分な業者も多く、府警幹部は「不法滞在などを助長する可能性がある。5月の主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)を控え、取り締まりを強化する」としている。